亡くなられた時

葬儀とは

私たちが不思議な縁によって出遇い、ふれあった人とのこの世でのご縁が尽き、人生最後のお別れをする儀式です。
従って永遠の別れを告げるという儀礼ではなく、亡き人を縁として改めて生かされているいのちの尊さを知らされ、
かけがえのない人生を大切に生きるこころを教えられる時であり、そのための儀式です。
これをご縁に人生における生と死の問題にしっかり目を向け、世間にあるさまざまな風習や俗信、そして迷信に振り回されることのない
浄土真宗の葬儀を執り行いたいものです。

葬儀までの流れ

寺院への連絡

◆寺院へ臨終のおつとめを依頼する。
臨終後、まずはご連絡をお願いします。(臨終が深夜になることもありますが、その場合は翌朝のご連絡でも構いません。
一刻も早くおつとめをしなければ救われないということはないのでご安心ください)
ご連絡をいただきましたら葬儀の日時を決定します。実は「友引はよくない」と言われていますが日に善し悪しはありません。
◆葬儀社へ連絡をする。
葬儀の日時が決まりましたら葬儀社へ連絡します。
その際、宗派は「浄土真宗本願寺派(西本願寺)福岡市早良区小田部の教善寺の門徒」と伝えてください。

臨終のおつとめ

臨終のおつとめとは、一般的に枕経といわれますが、浄土真宗では臨終勤行といい、「人生の終わりに臨んで、永年お導きをいただいた阿弥陀如来さまへのお礼のおつとめ」です。

◆お仏壇(ない場合はご本尊)のそばにご遺体を安置無理に北枕にする必要はありません。

◆仏壇のお飾り打敷は白とし、花は白か青木のものとします。

◆臨終のおつとめ灯明に明かりを灯し、お花を供え、住職と一緒におつとめをしましょう。

〜臨終のおつとめのポイント〜

【故人の法名の確認】帰敬式(浄土真宗に帰依し法名をいただく式)を受式さてれいる場合があるので確認してください。

【納棺のについて】ご遺体に念珠を持たせ門徒式章をかけます。ご遺体に旅装束を着せる必要はありません。

【葬儀の代表者を決定】葬儀の遺族代表者を決定します。

通夜

葬儀前夜に近親者知人等が集まり故人を偲びつつ、み仏のみ教えに遇う場とするのが通夜です。

◆おつとめ
ご本尊の前で住職と一緒におつとめをします。
〜通夜のポイント〜

・遺影等によりご本尊が隠れないように注意しましょう。

・棺には七条袈裟(又は棺覆い)、修多羅を置きましょう。

・水、茶、一膳飯は供えません。

葬儀

葬儀(告別式とは言いません)は、阿弥陀如来さまの前で遺族が故人とお別れする最後の厳粛なおつとめです。そのため、
おつおとめ中には会葬者への答礼は慎み、遺族代表挨拶を通してお礼申しましょう。

◆おつとめ
ご本尊の前で住職と一緒におつとめをします。
〜葬儀でのポイント〜

・葬儀のあと、清め塩はしません

・出棺の時、茶碗を割ったり棺を回したりしません。

・火葬場からの帰りの道順にこだわる必要はありません。

※俗信、迷信に振り回されないようにしましょう。

中陰法要

中陰とは、亡くなってから四十九日間を指します。これは中国の古い風習で、死後次の世に生まれ変わるのに四十九日かかるとされた事が基となっています。
浄土真宗では、中陰の「四十九日間」という枠組みだけを受継ぎ、残された私達がお法に出遭わせていただく期間として大切にしています。

◆おつとめ
日時を調整して、できるだけ住職と一緒におつとめします。(難しい場合はご相談下さい)
遺骨、遺影、法名は仏壇の前か横に置きます。
過去帳に法名を記入します。
塗位牌や回出し位牌は用いません。

法名とは

1.法名は生きているうちにいただくものです。
阿弥陀如来・親鸞聖人の御前で浄土真宗の門徒としての自覚をあらたにし、お念仏申す日暮を送ることを誓う、浄土真宗の門徒にとって最も大切な儀式を「帰敬式」といいます。 法名は、この帰敬式を受式され、仏弟子となった方に本願寺住職(ご門主さま)より授与されるものです。つまり、法名は浄土真宗の門徒として、阿弥陀さまを敬い、念仏者としてみ教えに生きていく証としていただく名前です。
よって法名は生前にいただくもので、死者の名前ではありません。
それがかなわずして往生されたときには、ご門主さまに代わり、住職がお付け致します。
2.法名と戒名は違います。
浄土真宗本願寺派では戒名とは言いませんので、ご注意ください。法名も戒名もどちらも仏教徒としての名前をあらわす言葉ですが、戒名は、厳格な規律戒律を守って仏道修行する人々につけられる名前であり、阿弥陀仏の本願力に信順して生きる私たちがいただく名前は「法名」です。従って、「法名」には修行の経歴を表す道号(いわゆる、四字や六字の戒名)や、修行の形態を表す位号(信士・居士・信女・大姉等)はありません。
3.浄土真宗本願寺派では、法名はすべて三文字です。
「法名 釋○○」です。「釋」とは、お釈迦様の「釋(釈)」の字で、仏弟子であることをあらわし、親鸞聖人もご自身のことを「釋親鸞」と名告られています。
4.昔は法名に女性の場合は「釋尼・・」としていましたが。
浄土は男性も女性もない差別ない世界であることから、今は「尼」という字を、できるだけつけないように本山から勧められています。
5.院号について
院号とは、古くは皇族が政治を離れ出家した場合に付ける尊称として用いられていものですが、後に、特別な功績のあった者への尊称として使われるようになり、現在本願寺では宗門の護持発展に功績のあった人に対し、院号が授与されています。よって院号は在っても無くてもかまいません。